シェーファー イントリーグ(Sheaffer Intrigue)

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意欲的過ぎて空回りしちゃった感満載(^o^;)

シェーファーが2000年に発売したモデルなんですが、既に廃盤になっている寿命の短かった万年筆です。

シェーファーの場合常に新しい機構を作り出そうとする傾向があり、レバーフィラーしかり、スノーケルしかり、そしてこのイントリーグもその流れを汲むペンといえると思います。

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インクの充填方式は一言で言えばカートリッジ/コンバータの両用式なのですが、さすがシェーファー普通の両用式では満足がいかなかったようで(笑)
じゃあ、どうやって吸引するかというと、通常コンバータは首軸を外して装着、つまみを回して吸引をします。しかし、このペンは尻軸をまわすと写真一番上のようなガイドが引き出されてきます、ここにコンバータを装着し再度ペンの中に押し込んでセットします。

コンバータは写真の2段目にあるように非常に特殊な形状をしており、イントリーグ用に専用設計されています。つまみが非常に短くギザギザになっており、指ではほとんどまわすことが出来ません。これがミソでペンの中にセットした後、尻軸はもう一段つまみが引き出せるようになっています。このつまみを回すと中の歯車とコンバータのつまみの部分のギザギザがかみ合ってつまみが回るというギミックを持っています。

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ちなみにコンバータの代わりにカートリッジを装填して使うことも出来ます。
ただ難点としては途中でインク残量を確認することが出来ず、インクが残ったままコンバータ/カートリッジを外そうとするとペンの中が悲惨なことになりますΣ( ̄□ ̄ノ)ノ

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ペン先は14金のロジウムコートのインペリアル/レガシー系象嵌タイプ。
イントリーグ用は端が丸められているのが特徴です。
※インペリアルのペン先はこんな感じ

昔のインペリアルほどペン先が反らせていないため、独特のシェーファーらしさは薄れていますが、書いてみるとやっぱりシェーファーっぽい感触はあるんですよ。

ただ、凝った機構の割りにボディがステンレスでサテンクローム&ラッカー仕上げ、クリップもクロームメッキの金属板を曲げただけのシンプルなものではっきり言って安っぽい。正直なところシェーファー好きの私ですら定価で買うかと言われたら躊躇してしまう出来なんですよねぇ。

やっぱり複雑な機構とメンテナンス性の低さからか短命に終わってしまったペンですが、でもこの試行錯誤の詰めの甘さと商品性の迷走っぷりがシェーファーらしくて大好きだったりします。