モンブラン ボエム ブラックレジン&プラチナ ノワール(Montblanc Bohème Noir)

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モンブランの現行品で宝飾的要素の強いモデルのボエムです。
神戸で二右衛門半さんから購入、もともと冗談みたいな値段だったのにそれでも値切りました(w
http://www.montblanc.co.jp/products/black_resin_platinum_noir.05049.php
 
なんといっても特徴的なのはクリップのジェムストーン。
といってもこれはオニキス「風」の人工宝石、オニキスだったらそんなに高くないんだから本物嵌めちゃっても良かったような気もするんですが(笑)
 
※ちなみに本物の宝石が嵌まっているのは「プレシャスメタル&ダイヤモンド」という18金ホワイトゴールドに軸全体にダイヤモンドが散りばめられているという冗談のようなモデルだけです( ̄▽ ̄;)
 
このモデル収納時の全長は非常に短く112mmmしかありません。
実物を見てもこのキャップ長でニブが収まるのか?というサイズなのです。実際にキャップを開けてみると。。。

ペン先がない!

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ってそんなわけは無くて、尻軸を時計回りに回すことによってペン先が現れる繰り出し式の万年筆なんです。このことで少し重くはなってしまいますが、非常にコンパクトなペンに仕上がっています。ボエムを「あれは万年筆じゃない」と断じる方もいらっしゃいますが、どーむはスーツに挿して持ち歩くには都合が良いので結構愛用していたりします。
 
インク充填方式はカートリッジ専用なのですが、そのカートリッジの装填方法が変わっているのです。
通常のカートリッジ式の万年筆のように首軸をどんなに回しても外れません。繰り出し式になっているため、あくまでも首軸部分はペン先をカバーするだけのものなんですね。じゃぁどこからカートリッジを装填するのかというと尻軸を折り曲げてペンの後ろ側が開くようになっていて、その中にカートリッジが見えます。
 
ただ、この状態ではまだカートリッジは深く本体に埋もれた形で取り外すことが出来ません。
開けた状態で反時計回りに回すとニブユニットごとカートリッジが後ろに移動してカートリッジを取り替えられるというわけです。
 
この複雑な構造のためにペンを洗浄するためには専用のクリーニングカートリッジなるものを購入しなければいけません。まぁインクを変えて筆記を楽しむタイプのペンではないので、一度インクを決めたらそんなに変えるものではないと考えているのでしょうけど。
 
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筆記状態にするには尻軸部分のねじにキャップをねじ込んでセットします。
実際に筆記状態にしてみると132mmの長さがありますので本格的な大量筆記でなければ何の問題もありません。軸径はφ12mmとなかなか本格的なサイズ、ただこの繰り出し式のメカを考えると良くこの中に収めたなと思ってしまいますね。
 
この繰り出し機構部分は購入時点では部品の経年劣化もあり、少し動きが渋くなってしまっていました。
しかし先日名古屋のラシックで開かれたリペアクリニックで、モンブランの技術者である小野さんに部品交換をしていただきましたので快調に動くようになりました。
http://blogs.yahoo.co.jp/ttokondo/60750012.html
http://www.mb-moments.jp/event/mtm.html
 
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ペン先は繰り出し式ということもあり、かなり小さめのものが付いています。材質は14金、しなりは少なくいまどきのペン先という感じです。ペン芯も小さいものですのでインク供給能力を疑っていたのですが、意外とインクスキップなどは起きません。このあたりはさすがモンブランというところでしょうか。
 
このペン先ユニットにも一工夫がありまして、ペン芯裏側の先端部分に大きなくぼみが設けられています。これは繰り出し式であるボエムのキャップを閉める際に、ペン先をしまい忘れたままだと大惨事になってしまいます。その際にキャップ内に設けられた突起がこのペン先部分に引っかかって、キャップのねじ切り部分まで届かないようになっているわけです。
 
賛否両論あるペンですが、非常にあちこち工夫されていて面白いペンですし、押し出しの利くペンです。
個人的には結構気に入って持ち歩いております。