ステッドラー ウォペックス(STAEDTLER WOPEX)

イメージ 1
 
ステッドラーが7月に発売した新製法を採用した鉛筆です。

一般的に鉛筆は2枚の木の板の間に黒鉛芯を挟みこみ接着、細く切り分けた後に整形することで作られています。それに対してこの鉛筆はどのような製法で作られているかと言うと、芯、軸、表面塗装の材料をチップ状に加工し押出し整形をして製品化をしています。
 
塗装面も一体で押出している関係もあって、表面はサーモプラスチックと呼ばれる材質でコーティングされています。若干ラバーのような柔らかさを感じる素材なので、個人的にはあまり好みではないですね。

軸色は芯の硬度ごとに変えられていて、2Bがピンク、HBが青、2Hが黄緑になっています。定価は105円ですが、現在は力を入れて売り出しているので各硬度が詰めあわされたパックが結構多く店頭に並んでいます。
 
イメージ 2
 
2枚目の写真は同じHBの硬度のウォペックスと三菱鉛筆のハイユニを並べて撮影してみました。天然木材を使っていないわけですから、当然木目がありません。また貼り合わせをしていませんので断面を見ても接着面というものがありません。そのため削ってみると独特の手応えです、また素材のばらつきがほとんど無く非常に均一に削れるのも大きな特徴です。
 
といってもプラスチックで作られているわけではなく、森林保護地からの木材と廃材を使用しているそうです。その木材原料を押出し整形できるように、チップ化しています。
 
芯についても通常と違い、軸材と一緒に押出し整形しています。そのため、ステッドラーの公式発表では高密度に凝縮されており、筆記距離が2倍あると謳っています。実際に書いてみると発売されている3種類とも硬めの筆記感です。どの硬度でも書き味や筆記線には大きな差を感じません。細かい筆記用とでの使い分けや柔らかい芯を求める方には明らかに向かないと思います。
 
現状では技術革新としては画期的技術なのでしょうが、実用上のメリットが少ない為、一気に主流になるというわけには行かないでしょうね。