ビスコンティ フェデリコ2世 ドイツ王(VISCONTI FEDERICO II REX GERMANIAE)

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初期のビスコンティでカトウセイサクショが制作を担当していたラグタイムをベースにした1994年の限定品。
1194年産まれの神聖ローマ皇帝フェデリコ2世の生誕800周年を記念して作られ、販売当時は4本セットで販売されていました。

通常セット商品の場合ペンの種類などを変えて販売されるものですが、この4本セットはなんと全てが万年筆。モチーフとなったフェデリコ2世(ローマ名:フリードリヒ2世)は4つの国の王になった経歴の持ち主。そこで4色の万年筆をセットし、各色のペンの天冠刻印を変えてセット販売したようです。
http://www.pensinasia.com/federico_ii.htm

このペンはドイツ王バージョンということで天冠には「REX GERMANIAE」という刻印が入っています。
ドイツの他にローマ、シシリー、エルサレムの3種があり、4本が木箱にセットされている写真がビスコンティのサイトにありました。
http://www.visconti.it/museum/scheda.php?idelemento=33
 
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軸の素材はセルロイド、カトウ製のペンらしくセルロイドの継ぎ目があり、板セルロイドを巻いて棒状にしたものを切削して作成した事が推測されます。クリップが特徴的な作りになっていて、金属板を打ち抜いて整形したものをキャップの溝に合わせて巻きつける方式で作られています。標準のラグタイムでは装飾はあまり入れられていませんが、このモデルでは透かし彫りが施されているのが特徴です。

軸径は一番太いところでφ12mm、長さは収納時で137mm、筆記状態で164mm。
キャップを後ろに付けると嵌まりが浅く、キャップが少し重めなのでちょっとリアヘビーになりますね。
 
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インク充填は回転吸入式、なぜかビスコンティのサイトには「Double Reservoir Power Filler」って書いてありますが、間違いなくピストンフィラーです。ってもっと言えばコンバータ嵌め殺しタイプのいんちきピストンフィラーだと思われます(笑)

実はいろいろと調べていたところ、このペンがオリジナル状態でないことが発覚。本来は18金ペン先が付いていなければいけないのですが、このペンはベースモデルのラグタイムに付いていた14金ペン先が付いているんですね。まぁ見た目的にもほとんど変わりませんし、書き味にも不満はないので全く気になりませんが。