セーラー キャンディ ハイパー化プロジェクト

セーラー万年筆の100周年事業で有田焼・染付桐鳳凰島桑とともに発売(復刻)されたクリアーキャンディ。もともと中高生向けの安価なペンという事もあって、正直なところ書き味はそれなり。でもせっかく買ったのですからどうにか使ってあげたいところ。
 
そこでちょっと改造して遊ぶことにしました。
万年筆マニア的としては改善したい問題点は2つ。

1) ペン先が鉄ペンで面白くない。

キャンディのペン先はセーラーの安価なペンによく使われるF-2ペン先。このペン先調整してあげるとなかなかの書き味になるのですが、ガッチガチの書き味であまり書いていて楽しいペン先ではありません。そこで考えるのが金ペン化なのですが、ややこしいことにこのF-2ペン先ユニットはペン芯が円柱状ではありません。そうなると他のペンからペン先だけ移植するのは難しくなります。

そうなると今度は首軸ごと移植する方法を考えます、軸径的にはセーラーのプロフィットスタンダードorプロギアスリムが入りそうなのですが。。。
 
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現行品はねじピッチは同じなのですが、キャンディはねじ切りが浅く最後まで入らないのです。。。_| ̄|○
 
そこで旧型のプロフィット(首軸先端に金属リングのあるタイプ)を試してみたところ、ねじ切りの位置が同じで綺麗に収めることができました。キャップが割れてしまった旧型プロフィットが有ったためちょうど良かったですね。
 
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写真左側が旧タイプ、右側が現行品です。ねじ切りの位置が違うのがお分かり頂けますでしょうか?
同年代のペンですから首軸の基本設計が同じだったようですね。
 

2) 軽すぎて書き難い

キャンディはペン先以外には金属パーツが無く、非常に軽く仕上がっています。普段は全体が軽いためそんなに気にならないのですが、金属パーツが使われているプロフィットの首軸を持ってくると、極端なフロントヘビーになってしまいます。

そこで軸に重りを入れようと考えたのですが、ただ鉛の重りを入れるのではなく他の方法が無いか考えてみました。透明軸を使って中を見せて、見た目的にも面白くできれば最高です。

基本的には軸の中に重りを入れれば良いのですが、カートリッジやコンバータの入るスペースは確保しなければいけません。普段はコンバータの周りに鉛のウェイトを巻くのですが、あんまり見た目的にカッコいいものではありません。
 
そこで考えたのが金属のパイプ状の物を入れれば良いのではないかという事。実際セーラーのペンでもキングプロフィットなどは首軸のガイドパイプを長くすることで重量感を持たせていますから、同じ効果を狙えばいいと考えました。
 
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セーラーのカートリッジの外径はφ6.6mm、キャンディの胴軸の内径はφ8.4mmですからそんなに大きな隙間はありません。ハンズの店頭でいろいろ探したところ、銅製の外径φ8mm、肉厚0.5mmというパイプを見つけました。これなら内径も7mm確保できるので、ぴったりの寸法です。
(店頭でパイプの前で軸やカートリッジを挿しこんで悩んでたのは内緒w)

銅製なら磨けば独特の光沢があり、ルックスの変化も期待できます。

寸法を合わせてパイプをカット、バリを取ってやすりで磨いたものをセットしたら…
 
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バッチリじゃん!
 
透明ゴールドの軸に合わせてみるとクリップのくすんだゴールドとのバランスも良く、なかなか面白いルックスのペンに仕上がりました。適度な重量感も出てなかなか書きやすいペンになりました。

軸全体に銅パイプを入れてしまうとコンバータが使えず、カートリッジ専用になるのが難点でしょうか。コンバータを使う場合の重量化はまたネタにしてみたいと思います。
 
※ペンを改造するとメーカーの保証が受けられなくなります、改造は自己責任で行ってください。
(って1000円のキャンディですから失敗しても知れてますがw)