プロケネックス ブラックエースマイクロ(PROKENNEX BLACKACE MICRO)

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何をするにしても無駄な収集癖を発揮するどーむのことですから、ラケットも実用以外のヘンタイラケットが家に転がっています。そんなヘンタイラケットの中の一本をご紹介。
 
一枚目の写真ではいったい何だかわかりませんが、拡大するとこんな感じ。
 
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ストリングの目が超細かい!

通常テニスラケットのストリングパターン(糸の本数)は縦16本、横が18~20本が一般的。
比較的細かいパターン(デンスパターンと呼ばれます)でも縦18本×横20本がせいぜい。それがこのラケットはなんと縦22本×横30本という恐ろしく目の詰まったパターンを採用。当時マイクロシステムという名称でいくつかの商品をラインナップしていました。
 
一般的に同じストリングで同じテンションなら細かいパターンほど打感は硬くなり、スピンがかからなくなってしまいます。そのためマイクロシステムではそれらの問題を1.1mm(19ゲージ)の専用ストリングを用意し、非常に低いテンションで張ることにより解消していました。当然長さも通常の12mではまるで足りないので16mという変態っぷり。
 
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隣に手持ちで一番普通なブリヂストンのデュアルコイルを並べて見るともっと良くわかります。
実際に打ってみると布でボールを包み込むような独特のホールド感が特徴的です。テンションは上限で38ポンドだったらしいので35ポンドで張ってありますが、同じようなサイズの通常ストリングでいうと55ボンドくらいの感覚です。もう少し緩く張っても良かったかもしれませんね。

なかなか面白い発想のラケットですがあっという間に消えてしまいました。原因はいくつかあると思いますが、あまりに細い専用ストリングを使うので切れやすい、ストリングの選択肢が少ないといったところでしょうか。そして何よりも問題なのは…
 
ストリングを張るのが異常に面倒くさいこと(笑)
 
単純に本数が多ければ引く回数が増えますし、ストリングを通す際に手繰るだけでも大変です。ようやくメイン(縦)を張り終えてクロス(横)を張っていくと交差する部分が多いため、ストリングを引く度に引っかかってしまいまっすぐ張るのが一苦労なんだそうです。お店側にとっては非常に有難くないラケットだったのもすぐ消えた一因でしょう。。。
 
現在このラケットを使おうとすると、やっぱりこのストリングが問題になります。まず専用ストリングは今では当然販売されていません。代替品を探すにも1.1mmのナイロンストリングなんてあまりにも耐久性に乏しいためどこのメーカーも作っていません。
現在どうにか現行品で手に入るのがプリンスのシンセティックガットDF18というストリング。
http://prince.globeride.co.jp/products/strings/all/isgd16.html
 
1.15mmという極細18ゲージの商品が販売されていますのでこれを2張り用意すればどうにか張ることができます。おそらくこのゲージを店頭に在庫している店はほとんど無いでしょうから、取り寄せという事になるわけです。さらに高いコストをかけてこのストリングを手に入れても、張ってくれる店を見つけるのも大変です。あまりに面倒くさいのでお店によっては断られたり、割増料金を請求される可能性が否定できません。
 
私はたまたま無理をお願いできる店があり、ストリングも確保できたため復活させることができました。こういった挑戦的な試みをしているラケットは打球感も独特で個人的には大好きだったりします。もちろんこの手のラケットはいかにヘンタイどーむをもってしてもネタ用なので、持って行ったコートで仲間が笑い飛ばしてくれれば大満足です(^▽^)V