シェーファー スノーケル ヴァリアント(Sheaffer Snorkel Valiant)

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みーにゃさん復活記念(笑)

みーにゃさん:文房具ラバー 万年筆好きのブログ
シェーファーの代名詞とも言える吸入機構を備えたペンですね。
ぱっと見には特に変わったペンには見えないと思います。

でもキャップを外して尻軸を反時計回りに回すと、なんとペン芯から管が出てくるんです。実はこの管はインクを吸引するためのものなのです。

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通常の吸引式のペンというのはペン先をインクの中に突っ込んで吸引するのです。ペン先をどっぷりとインクに漬けるということは、その後にインクをふき取ったりという作業が面倒ですし、ペン先が漬かるくらいのインクの量がないと上手く吸い込めなかったりするのです。
吸引の例:パイロットカスタム823の場合

それに対してこのシュノーケル(スノーケルとも言う)式はこの管をインクにつけ、尻軸を引いて戻す動作を繰り返すと吸引することが出来るのです。ふき取ったりする手間が格段に少なくなりますし、少ないインクでも吸引がし易い非常に秀逸な方式なのです。

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ただ、シンプルな構造の多い万年筆の中ではシュノーケルは非常に複雑。左から2番目に写っているのがインクタンクにあたる部分なのですが、アンティークものはこの中に入っているゴムサックか、吸引レバー部分のOリングがダメになっている事が多いようです。どーむは運良く完動品を手に入れることが出来ました。

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ペン先はお約束の筒型タイプ。どーむのペンは14金のバイカラーですが素材や装飾もいろいろあるようです。
このペン先は非常に硬いペン先ですが、インクフローが良いため書き味は非常に良いです。ただ、どーむとしては軸がちょっと細すぎるんですよねぇ。

ただ、残念なことにこの面白い機構は尖った管が飛び出る構造になっており、この管で子供が失明するという事件があったらしく、シュノーケル式吸引機構は生産中止となってしまったんです。