中屋万年筆 シガーモデル ポータブル 石目乾漆 緑

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先日のペントレ@関西でしげおさんから譲っていただきました。
元は師匠ことたこ吉さんが中屋にオーダーをかけたものが、巡り巡ってどーむの手元にやってきました。

中屋はどーむとしては2本目、形状としてはこれまで使っていたシガーモデル ポータブルと同じもの。ただ、塗りが厚い分少し大きめに感じます。リングなどの金属トリムが一切なく、非常にシンプルな軸なのですが塗りがとても変わっています。青緑の漆で石目乾漆(いしめかんしつ)をと言う技法を使って塗られています。
 
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石目乾漆と言うのは特殊な塗り方の一種。まず乾漆(漆の粉)を蒔いたところに漆を染み込ますことで塗面に凸凹を作ります。凸凹を整えてから最終的に拭き漆を施すことで石のような表面を漆で作る技法です。最終的な拭き漆に青緑の漆を用いているため、特徴のあるルックスに仕上げられています。

首軸部分にも石目が施されており、首軸を持つ方なら滑り止めとしての効果が期待できますね。
って私はそんな前は持たないんですけど(^_^;)

漆塗りのペンは蒔絵をはじめとして、非常に見目麗しい趣味性の高い物が多く発表されています。しかし元々は光に当たると変色しやすいエボナイトに耐光性を持たせる実用的な目的で作られたとされており、高い実用性があるのが嬉しいところですね。彫金の軸などはどうしても実用性が犠牲になってしまうことがあります。
 
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ペン先は14金の極細、金一色のベーシックなペン先です。中屋(プラチナ)の極細ですから非常に細い線が描けます。さすがにこの細さになると少し紙を選びます、コピー用紙だと若干の引っ掛かり感じます。と言ってもこの細さにしては非常に滑らかな仕上がりになっていますね。

ペン芯がカーボンインクに合わせてエボナイト製になっているのがもう一つの特徴。この辺りの普通じゃない一捻り利いた仕様が師匠の面目躍如というところでしょうか(笑)

ご存知の方も多いと思いますがしげお商店の値付けはいつも格安、いや激安ですのでこれも「値付け間違ってませんか?」ってお値段で譲っていただきました。ペントレの際に「高そうだなぁ」と思って尻込みしている方も多いと思いますが、ちょっと聞いてみると「えっ!?」ってお値段だったりすることもありますから、よーく探してみてくださいね。