宛名書きに向いているインクを探せ

先日の万年筆Cafe用のネタをせっかくなのでブログでも掲載しておきます。
 
年賀状のシーズンも近づき、万年筆愛好家の皆様におかれましては大量の宛名書きシーズン到来かと思われます。まさかパソコンでささっと印刷なんて言わないですよね?(*´艸`)
 
そんな中万年筆愛好家と郵便屋さんを悩ませるのが水濡れの問題。せっかく書いた宛名が雨に濡れてにじんでしまった経験のある方が多いのではないかと思います。万年筆のインクの中でも水に強いものと弱いものがありますが、それを実際に比較実験してみようという企画なわけです。
 
一般的に水濡れに強く保存性に優れるとされているのが顔料インクや鉄イオン反応を使ったブルーブラックインク。反対に染料インクは水に弱いとされていますが実際にはどうなのかをご覧いただければと思います。
 
まずは各種のインクでハガキに文字を書きます。
 
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検証のためなので実際にハガキ(買い過ぎて余っていたかもめーるw)に書いてみました。
 
今回実験に使ったのは11種類のインク。
プラチナ ブルーブラック(鉄イオン)
プラチナ カーボンブラック(顔料)
プラチナ 顔料インクブルー(顔料) 
プラチナ 顔料インクブランセピア(顔料)
セーラー 極黒(顔料)
セーラー 青墨(顔料)
ペリカン ブルーブラック(鉄イオン)
ペリカン ブリリアントブラック(染料)
セーラー ジェントルインクブルーブラック(染料)
パイロット ブルーブラック
モンブラン ロイヤルブルー
 
これを24時間放置してから水に1分ほど漬けて、軽く指で擦ってみました。
 
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その結果がこの状態。
やっぱり顔料系の5つはいい結果を残してますね。ほとんど色が変わりません。指で擦った分なのかセーラーのナノインクはほんの少し流れましたが、これは許容範囲だと思います。
 
最初から生贄のつもりで使ったwモンブランのロイヤルブルーは見事に流れますね。
モンブランの名誉のために言いますと、他社でもロイヤルブルー系は総じて水に弱く褪色も激しいです。)
 
そして意外だったのが各社ブルーブラック。
鉄イオン系のプラチナ、ペリカンのブルーブラックは化学変化が24時間では十分でないようで、インディゴ染料が結構流れてしまっています。万年筆Cafeでやったセーラーの試筆紙だともっと流れました(^_^;)
 
反対に染料系であるセーラー、パイロットの両社が意外と健闘しているんですね。鉄イオンの仕組みとは別に耐水性を持たせる処理をしているそうなのですが、思っていた以上に優秀ですね。
 
皆さんがお使いのインクがこの中にあるかどうかはわかりませんが、ご自分の使われるインクの耐水性や対候性などもちょっとだけ気にしてみるとインクの選び方が変わってくるかもしれませんよ。